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【訪問日誌 大人げない大人】

  • 執筆者の写真: 洗練された田舎研究所 一般社団法人
    洗練された田舎研究所 一般社団法人
  • 7月5日
  • 読了時間: 6分

今日のうごく本バコは、大平山元遺跡のむーもんマルシェへ。


やませの風がつよく、午前中は肌寒いくらいとなりました。


各地でイベントが量産されていることもあってか

来場者の波は散発的な感じ。


うごく本バコとしては、お商売をしているわけではないので

人の出入りの過多はさして気になりませんが

本を眺めに来る人はどのくらいいるものかなあと準備していました


これまでの経過をみると

「長居するかしないか」

というよりは、ある程度時間に自由度があるご家庭や子どもたちは

「ここで何かする」という経験の部分を求めているので

単に「空間」を準備していて、

「いい雰囲気」

というだけでは足りないということは感じています。


ですので、今回は

「現実的に子どもがある程度の時間ここで遊べる」

という準備にしていました。


そして、ただ遊べるというのではなく

異年齢世代、いろんな人の共存感があるか、というところをやってみたいなと思っていたところです。


そんな視点で言うと、今日はとても面白い時間でした。


マルシェは地域の方が出店することもあって、その家庭の子たちがマルシェの時間ずっとそこにいる場合があります。


けれども、子どもたちにとっては、お客さんを待っている時間というのは

正直に言えば「ヒマ」なのです。


じゃあ、本だけ読んでいられるかというと

何時間もありますから小さい子では難しいでしょう。


うごく本バコに、そういう子たちがわちゃっと来た時

しっかり機能を果たせるかは、こちらとしてはよい確認になります。


最初

「これって『触れていいのかな・・・』」といった段階からスタートしますので


「本は自由に読んでいいし、借りて行くのもできるよ。落書きをしたかたったら、クレヨンがあるから、自由に描いていいよ」


「え、いいの?やってみたい!」


と描いていると、そこに保護者の方きて

「あんたたち!!なんてことしてるの!!」


「あ、だいじょうぶですよ! 描いていいバスなので、よかったらどうぞ~」

「え?いいんですか? 描いていいバスなんですか!」


と、だいたいここから始まります。


先日の、唐揚げの子たちもそうですが

「バスの中で食べたらダメだろ」

「本読みながら食べたらダメだろ」


という「〇〇してはいけません」を子どもたちはたくさん知っています。


でも、その結果、「自分は何をしていいかわからない」まま、

「自由に過ごして」

と言われても、結局頭の中には「できないこと」がたくさんあるわけです。


今日も、子どもたち同士で

「お前、バスの中でくつろぎすぎだろ!」

「人の店の中で何やってんの」

といった言葉がきかれましたが

「べつにいいよ」

というと、雰囲気が変わったように本を手に取り始めます。




「普段から本読むの?」


今日の子たちはみんな「読む」と言っていました。


もちろん、そうであっても、

ここではいろんな人が通るし、雑音も色々あるので集中力が切れることもありますが、とてもよく読めているように見えました。


今日は、フォロワーさんや、風祭さんもいらしていただいて

子どもたちとの交流もみられ、

「あ~、こういうのって素敵だな」

と感じる瞬間がいくつもありました。


フォロワーさんのおひとりと、ゲームをしようとおもちゃを持ってきた子。


わたしは、真面目にやって連勝してしまい、

子どもから

「大人げない」

と言われました。


続くオセロでも、ちょっと手加減しようとしたものの圧勝してしまい、

さらに大人げないことに。


でも、個人的には

「子どもだと思って手加減して勝たせてもらったとしてもうれしくない」

というのがあるので、負けは負けなのじゃ。

もっと強くなってかかっこい!



本を読んでいた、高学年の子は

「人とかかわるのがあまり得意でないから、本を読むことが多い」

と話していましたが、そんな風に自分を客観的に見ているのは、とても大人な態度です。



友達との付き合い方に悩むこともあるかもしれません。

これから先、「この人とかかわりたい」「この人と一緒に居たい」と思える人が現れたら

「どうしたら一緒にいられるだろう」という考え方になっていくと思います。

そして、何人かステキな友達ができたら、

多少気になることはあっても、大勢の人と仲の良いふりをしなくてもいい、とわかるときが来るような気がします。

でも、そこまでのいくらかの時間を、本が助けてくれているんでしょう。



つむぐ外ヶ浜の三厩編や、青春小説を書かれたりしている風祭千さんがちょうどそこに居て

「それでいいと思うし、わたしもそうだった」

とお話ししている様子は、とても素敵な場面でした。


その子に

「この本を書いた人なんだよ」

と教えると、文字通り目を丸くして、本と風祭さんを交互に見比べていました。


本をよく読む、という子が、

本を書いている人と出会い

作家さんから

「それでいいと思うよ」

と言われるという経験は、なかなかできるものではありません。



うごく本バコの中にあった、

『黒魔女さんの小説教室』 石崎洋司 (青い鳥おもしろランド)


風祭さんは

かつてこれを読んで小説の書き方を考えたことがあるのだそう。


小説教室や作家の方のサイン会などはあることですが

1対1で子どもと作家さんが接する、

というのは、あまり経験できる子はいないでしょう。


小さい子の選んだ本の中で、タイトルが聞こえてきたのは

「おしり探偵」


読みながら笑って、ページを見せに来ていました。

「学校の図書館にもあるよ」

とのことで、図書館の本もよく読んでいるようでした。


6年生だという子は、

ふらいんぐうぃっち 石塚千尋

を初めて知って気に入ったようで、

保護者の方に

「この漫画面白いよ」

と言うと、保護者の方は

「ああ、ふらいんぐうぃっち ね!」

「え、なんで知ってんの??」



新たな親子の接点ができたようでした。

さすがに全部は読み切れず

保護者に頼み込み、来月までの返却で3冊借りて行きました。


そして、


お客さんの切れ間に、青森市町村パズルをやりに来て

口を挟む子どもたちに

「おもしぇー!! わさ、一人でやらせでけ!!」

と熱中する珈琲店主


風祭さんに、マルバツゲームを挑む子ども



まあ、そういう読み方もあるかな


保護者の方々には、お礼のご挨拶もいただいたりしましたが、

こちらこそありがとうございました。


あと、あまりお話しできませんでしたが

SNSを見ていらしたという方もいらっしゃいました。


町長さんや新しい副町長さんもいらしていて、こちらの考えている今後の活動をお話しさせていただいたほか、けん玉がやたらとうまい学芸員のかたに、次回のマルシェの企画もお話しできました。


敢えて書かなくても良いかなとは思いますが

これからの田舎では「数量的な価値」というものがそれほどの意味をなさなくなっていきます。

「たくさんの人が来ました」という価値はもちろん否定しませんし悪いとは言いません。


ただし、今後の田舎は、そうした持続性はありません。

むしろ

「子どもの想いに作家さんが関わる有意義な対話が発生していました」

「親子の間に、新しいかかわりができたようでした」


さて、暮らしの豊かさは、どちらでしょうか。


『洗練された田舎』とはこういうことを実現することなのではないか

と考えています。


 
 
 

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